23 March 2009
3月23日~28日の覚書
24日(火)晴れ 朝アイスエクストリームの山本さんからメールでトレーニングのチェックが入る。状況を報告すると、アックスを持って歩くと警察に捕まるので気をつけるよう忠告が。会社では、会議の合間にWBCの決勝の話題が持ちきり。みんな熱すぎてついていけません。尊敬する経理の先輩は、お昼休みはもちろんテレビにくぎづけ。午後もそわそわ落ち着かない様子。日本が勝利とわかると、みな大喜び。その後の仕事も楽しそうだ。野球の恐るべき影響力を、改めて思い知る。夜はお茶の稽古。台天目と重ね茶碗。
25日(水)雨 帰りにエナジーへ。武蔵浦和から最短で行ける道がわかったので雨でも問題なし。いつものとおりボルダーとTRエリアでひたすら登りこみ。月曜日のアックス懸垂以来、肩の筋が痛いので、無理しないよう気をつけながら登る。こんなところで故障しては元も子もない。
26日(木)晴れ となりの営業部が上層部の指示で引越しをはじめた。翌週に本国から来日する会長のスケジュールに合わせての動きのようだが、まわりの部署には情報がいきわたっておらず、動揺が隠せない。とくに、それまで長年の蓄積の上に微妙なバランスで成り立っていた女性同士の仕事上の役割分担を一気に崩してしまうようなやり方に、先輩方は呆れ顔である。入社当初から、女性同士の関係がドライで居心地の良い会社であるが、それは長年の紆余曲折の上に成り立っているもの。それが失われるのではないかと心配である。センシティビティの無さにがっかり。帰りに一緒になった、女性の先輩と駅前の飲み屋で一杯。
27日(金)曇り 会社ではいきなりの大規模な引越しが続いており、引越しを請け負っている営業部内でも文句続出である。私は、今までの暗黙の了解の上に成り立っていたバランスがみるみる崩れていくようで、つらい。どういう方法を取ろうとも、本質的な意味で地雷を踏んでしまった今となっては既にとり返しのつかない状態だが、今回の引越しによって仕事上の影響が出る部分について信頼のおける直属の上司に申し伝えておく。上層部に属する上司自身も、今回の引越しについては何も聞いていないという。とりあえず、形だけ整うのをまって、方法を考えようということになる。声にならない怒りが渦巻いているのを感じる。
28日(土)晴れ 翌日のヨガ中間発表に備えて、提出論文の仕上げ。パワーポイントを通しで発表練習 など。余裕があるはずだったが、結局夜中3時ころまでかかって就寝。
ヨガ論文作成
22日(日)曇りときどき雨 朝起きると何台ものヘリがニアミスしそうなくらいの間隔で飛んでいる。風が強く、事故にならないといいが、と心配になる。テレビをつけると、東京マラソンの中継。ランナーにとっては雨じゃなくて、よかっただろうと思う。今日は、進み具合によってはジムに行きたいと思いつつ、パソコンの前に座る。昨日の宿題をまず片付け、論文全体を見渡して整理。一番重要な考察と結論がまだ書けていないが、その前にパワーポイントを作ることにする。パワーポイントを作ったら、言うべきことが整理され、自分の理解も進んできたような気がする。論文を打ち出し、修正を3度くらい繰り返す。夕方雨が降り出し、外に行くのがおっくうになり、継続して集中することに決める。夜には論文もパワーポイントも8割程度完成。着々と進んでいるので、来週までにはなんとかなりそう。座りすぎで膝と腰がいたい。長時間対応の机ではなので、今後は何か体制を変えなくてはいけないかも。ストレスをテーマとした論文であるので、コーヒーなど刺激物への依存はストレスを助長するから良くないなどと書いたが、今日は思いっきり濃いコーヒーを5杯は飲んだ。
21 March 2009
読書と掃除とヨガ論文作成
三連休は論文を後回しにして山へ行こうと考えていたが、天気予報で金曜日と日曜日が雨とわかったので、心おきなく論文作成に集中しようと決めることができた。
パソコンに向かうが調べ物をしているうちに気づいたら関係ない情報を検索しはじめていて、なかなか本題には入れず。朝10時にアマゾンに注文していた本3冊も届いてしまい、さらに拍車が。なんと、午前中のうちに、本6冊分斜め読みながらほぼ読了す。おまけに、今後行きたい山のルート図まで取り出し、逃避行動はいよいよマックスへ。
そのうち昼になったので、また台所へ。この間情報誌でみたスナップえんどうのマヨネーズ炒めを作って昼食。うまい。
本題に入ったのは昼すぎ。まず、被験者5名分のデータをまとめてグラフを作成し考察など、あとは、項目別に、必要な内容を埋め込む作業に入る。ひとつひとつ、参考文献を見ながらまとめていたら、気づくと夕方になり論文は6割方完了した。なかなかの集中力であった。

夜は、残りの核心4割と要約の作成作業。これらが終わったら、発表用のパワーポイントと配布資料も作らねば。
明日の晴れはわかっているので、どこまで時間が取れるか、今日の進み具合次第であるが、準備だけはしておく。
20 March 2009
3月16日~19日の覚書
17日(火)晴れ 経理・総務担当の上司がジャパンタイムズを見せてくれ面白い記事があった、と。内容は、景気低迷の中ヨーロッパでは本の売り上げが上昇している、というもの。論調は、景気が悪いので、少しのお金で楽しみを買える本を買う人が増えているのでは、ということであった。考えると、私も、去年の暮れ頃から購入する本の数が増えてきているような‥。日本は相変わらず本の売り上げは悪いようだが、今後どうなるか。買うよりも図書館で借りる人が多くなっているような気がするが。個人的には、面白い本があれば、買う。製本の機械を扱っている会社としては、本の売り上げが上がってほしいところ。
18日(水)晴れ 仕事の後、超回復を見込んでジムへ。前回と同じくエナジーへ向かうが、今回は武蔵浦和から歩いてみることにする。前回からのカンを頼りに歩くが、見事に迷った。しかし、途中の住宅街に点在する個人経営の個性的なコーヒー屋や雑貨屋など、なかなか面白い店を発見でき収穫あり。自力では埒があかないので、路行く女性に尋ねると、「壁に登るための施設」で場所を理解し実に正確な描写で道順を教えてくれた。驚きと感謝。無事にジムへ到着し、ボルダー50分、ルート1時間。週末のドライで、無理な姿勢をとっていたのか、腰や足が痛い。無理しないように注意。
19日(木)晴れ 日頃から尊敬する経理の先輩(女性)が、前日に休んだのはワールドベースボールクラシックをリアルライムで見るためだったと言うのを聞いて、奇妙な感慨とともにさらに尊敬の念を深めた。優秀なうえ、人柄もよく、プロ意識に徹した仕事ぶりはそれはそれは見事なのであるが、自分の趣味にも徹して忠実であるところは、なかなか真似できるものではない。仕事ができるというレベルではなく、人としての本質的な優秀さがないとできないことである。そこまで野球が大好きで、それに対して他人にはつべこべ言わせないよ、という信念が見える。こういう人にとっては、ワークライフバランスなんて当たり前の概念かもしれない。誕生日を覚えていてくれた友達からぱらぱらとメールが。みんなよく覚えていてくれるのだなあ。普段会わない人からも着信して、感動。帰り、本屋に立ち寄り、文庫本を3冊。勝間和代さんの新刊「会社に人生を預けるな」はもちろん購入。内容は、予測していたとおり、やっぱり今度はこうきたかあ、というものだった。自立という概念を徹していくと、仕事→お金→会社→社会となるのが必然だと思う。家に帰るとプレゼントが届いていてびっくり。
19 March 2009
初めてのドライツーリング
駅には9時48分着。施設を管理されている湯本さんが迎えに来てくださる。朝早くから感謝。車では、登山のことから昔のテレビ番組の話まで。途中の柱状節理の岩場(熊が出没するらしい)など教えてもらう。近辺にも岩場や氷など面白い場所があるらしい。

到着し、コーヒーをご馳走になってから、アックスを持ってひとりトラバース壁を行ったり来たり。すぐにパンプしてしまう。8往復くらいしたところで、オーナーの山本さん到着。ジュンちゃん(犬)と梅ちゃん(猫)も一緒だ。犬のジュンちゃんは放し飼いされているのに、猫の梅ちゃんはハーネスを付けられている‥不思議な光景である。
山本さんからは開口一番「アイスキャンディーでは大変だったんだって?」となぐさめられる。「まあ、はじめたばかりなんだからしょうがないよ」。「いや、はじめたばかりの人も他にいたのに最低だったんです」というと、絶句していた。
ノミックと靴を貸していただく。アイスクライミングのコンペでギアの検査をするときに使われるというアイスボックス(山本さん自作)を拝見。箱の中にアックスが入れば規格に合格なのだそうで、比較的長さのあるムルシェラゴのレプリカ(山本さん自作)をボックスに入れても、縦横ともまだ長さは余るくらいであった。今後のギアのデザインはどう変わっていくのかなあ、と想像を膨らませる。また、横に突き出た板の長さで、靴の後ろ爪(今後は使用が禁止される)が規定どおりか測るのだそうだ。山本さんがドライ壁にトップロープを張ってくださる。右寄りのルートを登るが、ホールドが遠い。出だしで既に立ち込みに苦労する。仕切りなおして、かろうじて残っている氷の壁から取り付くことに。トラバースして前傾部分に入り込み上部へ。一歩ムーブを解決する毎にパンプしてしまいテンション。山本さんのアドバイスを受けつつ、五万時間かけてやっとルーフ下まで到達した。
この日は他にもパーティーがいるものと勝手に想像していたが、なんと貸切状態に。それも、オーナーの山本さん自らが専属トレーナーのごとくマンツーマンでご指導くださったのである。
昼は、山本さんと湯本さんが薪と鉄板で焼きそばを作ってくださった。まわりで顔を出しているふきのとうをつんで一緒に炒める。美味。地元の方も来られ、話をしながらの昼食。人口の少ない過疎の村にこのような施設を作るのは大変なご苦労があったのではと想像していたのだが、こうして、ゆるやかな交流をしつつ施設を維持されていることに感服。
食後一息ついてから、またドライ壁へ。今度は山本さんと交互に壁に取り付く。最後は、また五万時間かけて上まで。なぜか、一回目につかめた最後のホールドを今回はつかめず。とにかく、腕力なく、すぐにパンプしてしまうのであった。
山本さん曰く、ドライ壁のグレードはフリーでいうと11くらいなのだとか。ホールド間が遠いので、引き付けて次のホールドへ伸びなければ届かない箇所が続く。足のスタンスも少ないので、壁をアイゼンで蹴るようにして利用するのである。アックスは正面からホールドにかけるだけではなく、横からひっかけたり、場合によっては下からテコのようにひっかけたりと、山本さんからはアドバイスを受けるのだが、どこまでアックスの保持力を信じていいのか感覚がつかめず、怖がりな私は思い切ったムーブができなかった。それ以前に、やはり握力と腕力がない。ムーブのバリエーションもない。
山本さんからは、今後は 1)登る30分前のBCAA摂取 2)超回復を見込んだトレーニング をするよう指示を受ける。
帰路は、東京へ戻られる山本さんの車に同乗させていただけることに。途中、山本さんがオークションで手に入れたという物をピックアップするため高崎近辺の住宅街に立ち寄る。山本さんはパソコンや電化製品などご自分で組み立て改造ができるそうだ。車の内部も、自作の大画面GPSなど半端でない手作り感に溢れている。聞けば、官公庁などから依頼を受け検査機器などを設計し作成するというお仕事を長くされてきたとのこと。山本さんは70年代からアイスクライミングや冬期登攀を始められたそうで、昔のトレーニング方法など面白い話は尽きず。摩利支天中央壁のソロの話、ダイオキシンとゴミの問題など、話は多岐にわたり、いずれも詳細に語ることができる知識量の豊富さに圧倒されているうちに東京へ戻ったのであった。
後日、山本さんから「今回は『コソ練(秘密の練習)』だから他言しないのでがんばれ」という旨の心あたたまる励ましのメッセージをいただき、少々複雑な気持ちを抱きつつ少なくとも教わったことは実行せねばと決意したのである。
14 March 2009
読書とヨガ論文作成
私は、去年のペルーで登ったチョピカルキ峰の雪壁のコンディションの良さの味わいが忘れられず、まわりを見渡し美しい氷や雪壁の山々を見るにつけ「氷が登れたらどんなに楽しいことができるだろう」という単純な動機で氷をはじめよう、と思ったのだった。岩登りをするときにまずはフリーのゲレンデで技術を習得しておけばより安全に登れるという発想と同じく、氷もゲレンデでまずは練習をしておけば、より安全に登れるのかな、という考え方でアイスキャンディーなどの講習会に申し込んだのだが、今シーズンはこれでよかったと思う。アイスキャディーや六合に通う、コンペで上位を狙うクライマーの方々は、いわば技術や装備の面で先端をいっているのであり、教えてもらった知識はとても価値があるものだったからだ。今号の「Rock & Snow」のクライマーズミーティングの記事をみても、フリーで13レベルを登ることや氷とドライツーリングの技術が基本にあり(全員がリーシュレスというのも印象的だった)、山での経験が重なって彼らの創造力を支えているのだということがわかる。面白いことをするためには、基本になる土台をしっかりと作りこむことが必要だと思うが、基本の中には既に最新の氷やドライツーリングの技術が加わっていたのだ。
夜はヨガのレポート作成。
11 March 2009
3月9日~13日の覚書
10日(火)曇りのち晴れ 夜、お茶の稽古へ。釣釜の初炭と台天目手前。中級になったら全て口伝になり覚えるのに必死。生地の水差しにお茶入れを置き合わせ、台に乗せた天目茶碗を運ぶまでが水や仕事。後は、建水を運び出して行う。茶杓は利休好みの象牙を合わせる。普通の手前と違う点は、茶杓を建水の肩に置くことと、湯を茶碗に入れて茶筅通しするまえに、建水の肩に一度置いて、真の袱紗捌きをして台を清めること。茶入からのお茶のかきだしはすべて茶杓で行う。初級の手前がしっかりと身についていないと、違いを理解するのは難しい。基本を頭ではなく体で覚えている、ということの重要性を再認識する。何度も何度も繰り返し行うことで身に着けた技があると、応用の世界へ広げるのが楽。案外、基本を習得中のうちは、早く応用編へと急ぐ気持ちもあって集中できていなかったりする。あとになって、もっと腰を落ち着けてやっておけばよかった、と思う面も。基本の習得の重要性は何にでも共通することだと思う。
11日(水)晴れ 夜、会社に近いエナジークライミングジムに始めて行ってみることに。良く利用するPump1と比較して、駅から近いこと、ボルダーエリアが大きいこと、オートビレイヤーがあることで一人でもふらりと行きやすい。まずは、簡単なボルダーエリアで身体を慣らす。パンプして休むパターンを5ラウンド。オートビレイヤーで、9~11-くらいのルートを10本程度。久しぶりなので、無理しないで長期的に筋力アップをするのだ、と自分に言い聞かせる。ぜんぜん身体ができていないので、しばらくは自分のペースで、すこしずつ登り込まないと。6時過ぎには行けるので、空いているうちに本数ができてよい。8時過ぎくらいから人が多くなるので、ちょうど2時間くらいで終了。利用価値は高い。
12日(木)晴れ 帰宅途中、京都の大好きなM先輩からメールあり。京都に帰る前に新宿で会おうということに。Mさんが以前から気になっていたという、新しいスペイン料理屋へ。スペインの地ビールやサングリアとタパスで。タラとマッシュルームのフリッター、牡蠣とウナギをガーリックオイルで蒸したものなど、〆はパエリア。今回は早稲田に能楽の資料を見にいっていたとか‥相変わらずの探究心。京都のオススメのお漬物屋さんの芥子菜を頂戴する。お互い、お出かけの準備をしていない普段着のまま、といいながら、Mさんはいつものようにとってもおしゃれ。元が美人なので、何を着ても雰囲気が抜群なのだ。ため息。後から、ボクシングの世界タイトルマッチを観てきたという旦那様も合流。旦那様といっても、山の大先輩でもある。山以外にこのような趣味があったとは。ボクシングは山よりも前からの趣味だという。魅力は制約の厳しいルールの中に見る美なのだそうで、研ぎ澄まされた美しい世界なのだとか。見る側にも技の価値がわかるだけの審美眼が要求され、ときにレフェリーも見抜けないような技が繰りだされKOがとられたりもするのだそうだ。
13日(金)晴れのち夜雨 夜は、石井のセールに立ち寄り欲しいものがあったので見てみるが、サイズが合わずあきらめる。知り合いの店の方が、月末から改装工事に入るので、品物の数が少なくなっていると言っていた。納得。その足でコクーンタワーの本屋へ。山関係の本で欲しいものがあったので、山関係の棚の前に行ってみたが品揃えの薄さにがっかり。スペースはあるが、山のことを理解している人がおそらくいないのだろうな、ということが、本の揃え方でわかるような。売り上げにも大きく影響するのではないだろうか。あれだけのスペースがあれば、そろえておくべき本はいっぱいあると思うのだけど。最近、山の本もネットで買うことが多くなってきたが、ますます加速してしまいそう。本屋は本屋の楽しみがあるので、今後に期待。といいつつ、他の棚をぐるぐる見てまわり刺激を受けて、閉店時間まで遊ぶ。
7 March 2009
3月2日~8日の覚書
3日(火)曇り 営業月次レポート作成し、本社へ。今週はバテ気味でパワーダウンのため、無策にもレストの週と決定。Aさんとトレーニングの日程調整するも、今週はスケジュールが合わないようなので、内心やっぱりレストの週だ、と決め込む。
4日(水)雨 4月来日者関係調整。VIPのスケジュールを関係者へ。外で夕食。疲れているのに、本屋で遊んでしまう。時間管理や体調管理をしっかり考えないと、無駄が多いし、非生産的。
5日(木)曇り 4月の企画のための準備。上司、関係者とのやりとり、通知など手配。外で夕食。
6日(金)雨 風がふくと桶屋が儲かるのごとく、人や物が動くと作業が発生する。今後予測される4月から7月までの変動は今まで経験したことがないパターンなので、できる範囲で手順を考えつつ準備をしておく。もれがないように、チェックリストを作成。通常のルーティーン作業とも重なるのが心配、気をつけねばならない。帰宅したら、佐川急便の不在表が。楽しみにしていたまりさんのベーグル!土曜日午前着で再配送を依頼する。
7日(土)晴れ 午前中到着したベーグルを早速ブランチにいただく。レンジで暖めて食べると、うまい!栗の入ったよもぎベーグルと、ダブルチョコを一気に食べてしまうが、これ以上食べないように自粛。夕方まで掃除。ここ2週間くらいのうちに、今世紀最大級に登山道具やら資料やらが散乱してしまった部屋を前に、どこから手をつけていいか途方に暮れるが、少しずつ片付けたらなんとか普通の状態までに戻すことができた。それにしても、2週続けて週末に氷を登っていたら、慣れないことをするせいか刺激が強かったせいか、相関関係はないかもしれないが部屋が荒れた。部屋が荒れるだけではなく、なぜかじゃがりことか普段食べないようなジャンクな物を食べたくなり、おまけに平日レストを決め込んだので体重が増えた。部屋が荒れ、体重が増えるということは、何かのバランスが崩れていることの現われなので、片づけが終わってやっと一区切りつけることができた。夜は、家族で集まり私の早めのBirthdayParty。私の希望で焼肉にしてもらったら、最高に美味しい肉を食べられて大満足。一時期マクロビオティックの本を読みながら半年くらい玄米菜食にしていたことがあったが、効果をそれほど実感できなかったため、今は肉も食べたいときにおもいっきり食べる。バースディカードに書かれた母のメッセージに泣きそうになる。私を生んだ瞬間の彼女の記憶。母というよりは、一人の女性としての記憶が書かれていた。大切にしておこう。4月には実家の引越しもあり、深夜まで家族会議。
8日(日)曇り いいかげんに手をつけなければならない、ヨーガ療法士の中間レポートに着手。実験で得た5人の臨床データをもとに、SMETというヨーガによるストレスマネージメントの手法について考察をするというもの。研究論文の書き方などに詳しい友達に相談すると、論文の雛形、注意点などを教えてくれた。論文はパターン化された形式を踏襲することが求められる世界なので、とにかく、発表のある月末までパズルを埋め込むようにひとつひとつ地道に書き続けて積み上げていくしかない。今月の大きな課題。
3 March 2009
アイスキャンディーカップ
28日(土)曇りのち晴れ 朝一番の6時15分のバスで美濃戸口へ7時前に到着。7時に美濃戸からコンペ参戦者用の車が出ると教えてもらっていたが、バス亭のある美濃戸山荘か途中の赤岳山荘か不明確なまま到着してみると、赤岳山荘からであることが判明。内心歩きたいと思っていたので、受付時間の9時半に間に合わせるつもりでスタート。途中、赤岳山荘に到着すると、中から赤岳鉱泉の社長が。見学に来たのか!との質問に「昨日突然エントリーして参戦することにしました」というと、しょうがねえなあと呆れ顔で車で送ってくださることに。忙しい中にもかかわらず、いつもとかわらない暖かさ。8時半赤岳鉱泉着。いつもおなじみの方々が、既に小屋でくつろいでいる様子。Aさんたちも「来ると思ったわよおっ」と笑いにしてくださって、なんだか気持ちが和む。去年から参戦されているYさんKさんも初参戦の私に色々とコンペの手順など丁寧に教えてくださり、感謝。アイスで初めてお会いするYさんファミリーが小屋に到着。まわりがぱーっと明るくなる。5歳のCちゃんも既に輝きが違うような‥。
エントリーフィーは3000円、ありえない値段である。柳澤社長の最後の説明で知ったのだが、(株)ゴールドウィンと(株)大塚製薬の2大スポンサーは資金も援助しているそうだ。物品の充実度も高く、参加者全員にキャップやバンダナ、ソイジョイやアミノバリュー、BCAA顆粒なども配布あり。ルート設定された氷を登れておまけに色々もらえて、スライドショーも見られて、参加しただけで投資の何倍ものリターンがあるすごい内容である。ノースのウエアを今回は着てこなかったのでせめてはいただいた帽子をかぶろう、と早速利用させていただく。かなり快適なかぶり心地である。メットとの相性も最高。
ビギナーは10人の参加者(全参加者は30人)、何度かご一緒させていただいた方が半分。ビギナークラス用に3本のルートが用意されており、それぞれ制限時間5分のうちに完登するとポイントがもらえるというもの。それぞれのルートに100点の枠があり、完登した人数でそのポイントを分け合うのだそうだ。11時から15時までの間であれば、何度トライしてもOK。人が登っているところを見てもいいし、アドバイスをもらうことも可能。ただし、トライ数が多いとマイナスになるので、最高得点を狙うのであれば一撃で登らねばならない。
私は、3本のルートの中で取り付きやすく見える一番右のルートから始めることにする。他の人たちもみな同様の考えのようで、順番待ちが集中する。待ちながら見学できるのは、なんだか先に登った人に悪いような気がしたが、そんな余裕は私にはないのだからいいことにする。完登者は次の課題へと卒業していき、登れなかった人たちは残って登れるまで同じ課題をトライ。ポイントは2箇所あり、一つ目は小さなハングの回り込みと、二つ目は上部のトラバース。他の人を見ていると、案外早いスピードで上部まで到達しているのだが、2トライ目の私は、なんと途中で時間切れに‥。そんなに遅いという自覚がないので、かなりショックを受ける。同じルートに一緒にトライしているAさんは、ルートを登って気づいた有益なアドバイスや声がけをしてくだって、大いに参考になる。なにより、心の余裕がスゴイ‥。Kさんのアドバイスはいつもながら的確。Yちゃんの声掛けはとにかく力がでる。オープンクラスのJちゃんの声援も受けて勇気は倍増。お陰で、3トライ目で課題を完登することができたのであった。
既に腕がパンプしてしまった私は、暖かいテントの中でひとり大塚製薬(株)ご提供のアミノバリュー&BCAAでアミノ酸摂取にいそしむ。お腹もすいたのでソイジョイのピンク(ストロベリー)や黄色(アプリコット)をいただく。かなり美味しい。やっと力が戻ってきたところで次に向かうと、なんと、他のみなさんは既に2番目の課題をクリアされていた。遅きに失した感あり、ショック。2本目はトラバースからハングを超えて、上部トラバースへと続くストレニュアス(に見える)な課題。1つ目の核心となるハングが越せず力尽きてしまう。2度目のトライで膝を使ったりしてハングをなんとか越したものの、先のハングで力尽きて登れず。とにかく、持久力がないことを痛感。フリーであの程度のハングなら簡単なのに‥アックスを握る力がみるみる落ちていくのである。再度アミノバリュー&BCAAを投入しレストを入れつつ、何度も何度もトライするが、状況は悪化の一路を辿っており、ひとり残された課題に居残り気分が相まってだんだん悲しくなってきた。泣くに泣けない状況。見かねたJちゃんが”登れないと心がポキっと折れますね”と声をかけてくれ、その言葉があんまりにも私の心情にぴったりだったので、なんだか元気になって、またトライし‥。しかしやっぱり登れなかった。そんな私をビレイヤーのTさんは最後までいやな顔ひとつせずに暖かく見守ってくださる。いつか将来、奈良を訪ねて改めてお礼を申し述べたいと思う。
修了前30分のコール。2本目の課題はあきらめて、3本目の課題をトライしてみることにする。ツルツルの壁をトラバースしハング越え手前のところまでアックスを刺して修了。先週の江本さんの教えを守り、アックスの打ち込みに集中した。
結果は3本中1本完登で、取得ポイントは8点であった。これがどれだけの成績かというと、ビギナーで参戦した人の7割が3本完登し30ポイント以上を獲得、2割が2本完登で20ポイント前後、そして1本しか登れなかったのは私だけ、というひとりだけが最低ラインに突出した散々な結果。おまけに、去年の12月からはじめたというKさんは3本完登し決勝に進出しているのだから、はじめたばかりという理由も効かないのである。逃げ道もなく途方にくれる、明らかなる力不足というわけであった。
小屋は予想以上の賑わい、最初に通された部屋から移動をするように声をかけられる。近くにいたAさんが快く一緒の部屋をオファーしてくださった。とてもありがたい。聞いてみると、Aさんから何度かお名前を伺っていたアイスクライミングのスペシャリストであるOさんと一緒の部屋だそうだ。Aさんから「Oさんはいつも的確にアドバイスをくださるすごい方」で、「上手になりたいのならOさんに教えてもらえるといいね」と言われていたので、緊張しつつご一緒させていただく。KさんIさんもみなさんいつも一緒に登られているとのこと。部屋でIさんお手製のサーモンのパテとお酒をいただきつつ話を聞いているうちに、AさんKさんともOさんの下ですごいトレーニングを積んでいることが判明して、コンペの結果に納得する。それよりもクライミングに対する気持ちの高さに脱帽。
夕食は豚の角煮。美味しくて、残さず完食したら、食べ過ぎて内臓に血流が集中してしまったのか貧血のような感じになる。めずらしいことだが、部屋に帰って一人で横になる。7時のスライドショーにあわせて復活。馬目さんと岡田さんのテンカンポチェのスライドは見逃せない‥。美しいルート取り、美しい登り方。ため息がでる。80mロープをダブルで登って、場所によっては160m伸ばした、というのはよくわからなかったので馬目さんにお伺いしたら、160mは80mのロープをつないで登るのでトップは確保無しで、セカンドのためにロープを引いているだけの状態とのこと。だからこそのスピードなのだろう。お互いの力が拮抗していなければできないことだ。逆層の岩場、大きなセラック、頂稜も怖そうに見える。高リスクの登攀を淡々と自然体でこなす姿は本当に楽しそうで、かっこいい。超個人的に今回収穫だったのは、馬目さんが高所でグリベルマトリックステック(ハンマー)とクォンタムテック(ブレード)を使用していること。見せていただいたら、独自の細工をしていて、高所での使い心地はとてもよいという評価だった。馬目さんが使っているマトリックスちゃんとあらば、落氷も避けて通ってくれそうな気がする‥。
コンラッドさんのスライド&ビデオは凝った作りで、わかりにくい英語でよく会話は理解できなかったけれど、面白かった。高難度の登攀のうえに積雪で、危うい感じの登攀が続く‥。すごすぎる。遠征前と後で10キロ体重が落ちたそうだ。直下で頂上を断念して下山したのは、エネルギーが残っていなかったからというようなことを言っていたけれど、悪天の中あれだけの厳しいルートをあそこまで登るだけでもものすごいエネルギーで西洋人の底力を感じてしまう。個人的には、カトマンズ近郊にある冬に登れる氷のルートというのが、気になった。となりに座っていたMさんの反応も違っていたような気がした。
同室のAさんに連れられて、みなさんが集っている飲み会の席へ。Eさん、Jちゃん、Aさん、Iさん、Nさん、Yさん、Kさんなどなどその末席でみなさんの会話を聞かせていただく‥そして家族が寝静まったのを見計らってRちゃんが参戦して、炸裂した会話に大笑い。翌日決勝に出場するAさんは、コンディションなど気にする様子もなく、すばらしいテンションで酒を飲み続けていた。かっこよすぎる。女の中の女という感じ。北海道の皆さんも、遅くまで飲んでコンディションを気にする様子もなく‥。それで1位、2位を獲得してしまうのだから、本当に男の中の男という感じであった。途中、遅くまで決勝のルートを設置していた江本さんが夜中近くになって戻ってこられた。スタッフの苦労はただものではないことがわかる。
1日(日) 曇りのち晴れ いよいよ決勝。ビギナーのルートはトラバースからかぶり気味のハングさらに遠くのポイントに移ってハングを越えながら上部へ、という内容。オープンで使われた4つのルートのうちの一つ。Kさんがダントツで1位。後で聞いたところでは、オブザベーションの時にポイントを頭でシュミレーションしてそのとおりにつなげられたそうだ‥。今回の優勝は計算した上で得た成果のようで、すばらしいなあ、と思った。女性で決勝に残ったYさんとKさんの登りを見ていると、残念ながらかぶり気味のトラバースで落ちてしまったものの、レベルがぜんぜん違うということがわかった。
オープンの決勝は、私には計りしれない難しそうなルート。アイスのトラバースからドライのパートへ。ホールド間の距離がとにかく長い。女子入賞の韓国の女性クライマーやIさんは華麗な身のこなしで、ドライのパートをピノキオを越える辺りまで。かっこいい。男子入賞の北海道のYさんNさん、Yさんは最高。決勝は見ているだけでも楽しめるということがわかる。
最後は入賞者の発表と、じゃんけん商品争奪戦。私はカメラケースとノースのジャージ(S)をもらって大喜び。終了後は、Aさんに誘われて、ビギナー決勝ルートに取り付く。なんどかトライするが、やはり、ハングのトラバースで力尽きて落ちてしまう。最後、AさんのアドバイスとIさんの心強いビレーにより、帰りのしたくをする前にもう一度だけ、と取り付いたら、AさんやOさんやIさんのアドバイスで、テンション無しでなんとか上まで抜けることができ、かなりうれしかった‥。
帰りは、ありがたいことにご近所のEさんの車にまた同乗させていただけることに。近くのレストランで江本さんやIさん、Mさんご夫婦、北海道のみなさんとご一緒に洋食屋さんで夕食。帰りの車の中では、1年前にはじめ、今年のコンペではビギナークラスで優勝&好成績を残されたKさんYさんカップルとご一緒させていただき、Yさんからはトレーニングの話も伺うことができてあっとういう間に家に到着した。
勝間和代さんセミナー1
九段下の裏通りにはなかなか面白い店があり、オリジナルのアウトドア用バッグの店などに立ち寄ったり、飲み屋のメニューを見たりしながら進む。あまり早く到着しても手持ち無沙汰なので、10分前に受付。テキストと勝間さんサイン入りノートを渡され会場へ入る。会場は100人ほどが入れる大きさで、前の席は既にぎっちりと埋まっているので、後ろ通路側ドアに近い席を確保。まわりを見ると、30代が半数以上だろうか。ほか3割程度の年齢層の幅は大きい印象。男女差も半々くらいか。
今回の「人生戦略ゼミ」は4回シリーズで行われ、ご本人が最も影響を受けた本として著書で紹介し、また翻訳出版しているフィリップ・マグロー著「史上最強の人生戦略」をテーマに、講義を行うもの。読む側(受動)から一歩踏み込んで行動する側(能動)へ高めようという狙いがある。私が想像するに、勝間さんは現在の日本に危機感を持っていて、政治の諮問機関などに関与し日本を変えようとするのと同時に、このような企画を通じて底上げをしようといった意図があるのではないだろうか。勝間さんの著書には、常に高度で実践的な方法論が述べられると同時に、その根底をなす思想的な部分が語られている。その両方が共存しているところが私は好きなのだが、ともすると、新手の宗教チックな熱狂を呼んでしまうかもしれない。それでも私は好き。そこにはファシズムは感じられないし、逆に、『自立すること』が根底のテーマに常にあるからなのだが(だから初期の著書「インディーでいこう」は象徴的です)。
しかし、講義は厳しいものが。第一回は「気づきについて」ということで、自分自身の抱える問題点をあぶりだす作業を行うというもの。勝間さんはコンサルタント時代に「問題の抽出に8割の労力を割く」ように教えられてきたそうで、つまり、問題抽出ができれば、そこから解決策を導きだすことができるという考えのようだ。しかし、本にも書かれているように、人間は問題点を認めないか、辛すぎて避けようとする性質があるのであって、問題を明らかにせよと言われてもこれは難しい作業。そこで、勝間さんお得意のフレームワークが登場するのだが、MECEに分解し、もれや重なりがなく、小さな問題に分割して分析ができるように、独自のワークシートを用意して下さっているのであった。
講義の合間に、自分自身の問題を解く時間が与えられるのだが、となりの男性はすらすらと沢山問題点を書いている一方、私はほとんど頭の中は真っ白になってしまい、数えるほどしかでてこないのだった。「こんなところじゃ恥ずかしくて書けない」といった、ひねくれた心も‥。それで、これらの問題抽出作業はさらに自分自身で深めるよう、全員の宿題となった。
問題点を知るというのは、こんなに難しいものなんですね。そこから、全てが始まるというのに。