9 May 2009

山形スキーツアー 8(最終日)

9日(土)晴れ 山形最後の日。気温は25度で初夏の陽気だ。8:00に目が覚め、テレビをつけると鳥インフルエンザ日本人第一号のニュース。荷物をまとめてフロントに預け、チェックアウトの手続き。ランチを食べに、町へ。 散歩しながら、蔵を改造したカフェレストランのオビハチ「灯蔵」を住宅街の中に発見。11:30と早めのランチのためか、ゆったりと席を確保。本日のランチは、五穀米、わかめの味噌汁、鳥ソテー、レンコンとジャガイモのサラダ、わらび、エンドウとベーコンの炒め物、玉子焼き、きんぴらにアイスコーヒーがついて1,050円。ジャズが流れる蔵の店内はとても居心地良く、満足。ただ、食材は都心のカフェでも食べられる健康食系ランチ、といえなくもないかな。個人的にはもう少し山形らしさを感じたいというわがままな欲求あり。 余所者のわがままというものであろう。
食後は、七日町の中心にある宮脇書店へ。山形市で一番大きな本屋だそうだ。お店のオススメコーナーの本はセレクションがなかなか面白く楽しめた。店員が作る”オススメ本コーナー”は新しい発見があり、つい覗いてしまう。コーナーをみると、だいたいどういうお店なのかわかったり。
本屋から、まっすぐ歩いて、再び旧県庁舎の文翔館へ。この建物がとても気に入っている。館内の部屋に設けられたカフェでアイスコーヒーを飲みながら、買った本を開く。なんと居心地がいいんだろう。文庫本1冊読了。外の光が傾いた頃、ふたたび外へ。

前回歩かなかったエリアへ足を運ぶと、大勢の人の流れが。屋台が並ぶ道にぶつかった。巡回中のお回りさんが植木市だよ、と教えてくれる。日本三大植木市のひとつなのだそうだ。食べ物の屋台、植木の屋台、骨董の屋台などなどが並ぶ。植木を買いたくなるが、やめておく。その代わり途中八百屋さんで、自分用に山菜をいくつかゲット。

屋台には昔ながらのやきそばやお好み焼きをはじめ、台湾などのアジアンな食材を置いてるものも。見ていたらだんだんとお腹がすいてきて、よっぽど買って食べようかと思ったが、夜に立ち寄りたい店があったので、がまん。早めに移動する。
夜は気になっていた、まるはちへ。季節の膳をオーダー。漬け物屋さん併設のレストランなので、内容はつけもの3種、にしんの昆布巻き、玉子焼き、おひたし、刺身(甘エビ、ゆば)、つけもの巻きがついて1,575円。お味はというと、漬け物は美味しいが、他は付け足しの感あり。
山形最後の夜。宿に預かってもらった荷物を受け取り、夜行バスの時間までミスタードーナッツで読書。登山後の読書ほど幸せな時間はないと思う。充実したゴールデンウィークツアーは終了。

<行程>11:00~19:00(灯蔵、七日町 宮脇書店、文翔館、植木市、まるはち、ミスド) 
21:50発夜行バスにて帰京

8 May 2009

山形スキーツアー 7(羽黒山)

8日(金)晴れ 6:00に目が覚め朝食までの1時間を散歩。朝のすうっと爽やかな空気の中、畑の間を歩き既に早朝から畑仕事をしているおばあさんに会釈。遠く右に月山、左に鳥海山が見えるあたりまで行き、しばらく山を眺める。山形市の方から見た月山はおわんを逆さにした月のカタチを連想させたが、鶴岡側から眺める月山は長い尾根をたくわえがどっしりとした山容だ。ふもとの人たちがこの山に抱く印象も、東と西では大分違うのではないだろうか。
7:00少し前に母屋へ。お米が炊き上がるまで待ってくださいと声をかけられ、野草茶をいただきながら、庭を眺める。良い具合に手入れされた庭の池には鯉が泳でいた。祖父の庭の鯉を思い出す。そういえば最近こういう庭を見ることも少なくなったように思う。焚きたての白米が運ばれてくる。いい香り。自家漬のうめぼし、ふきみそ、昆布の梅干煮、カブ、ふき、わらび、こごみの胡麻和えとお味噌汁。どれも、白米の味を引き立てる名脇役だと思う。おいしくてお代わりをいただいた。外からの涼やかな風。
食後にまた光さんとお話。羽黒山に登ったことがなければ、ぜひ上まで行ったらよいと。数年前から光さんも地元の山々を登るようになったそうだが、羽黒山には他とは異なる空気が取り囲んでいるという。羽黒山のふもとで御挨拶したい宿坊があると言うと、ハローページで探してくださった。母に約束した山菜は光さんお勧めの産直店「あぐり」で手配することに。みゆきさんが毎日おにぎりを納品しているとのことで、一緒に行きましょうとお声をかけてくださる。なんと、納品の後で羽黒山のふもとまで送ってくださる、とも。有難い。

スキーと使わない登山道具を宅配で自宅へ。「あぐり」ではこしあぶら、タラの芽、ぜんまい、青こごみ、山うど、ふきのとう、ばんけみそ。そして野草のジュースを入れて実家へ送った。

羽黒山までみゆきさんの車で送っていただく。途中、アルケッチャーノの前を通った。奥田シェフと光さん、みゆきさんとのかかわりなどについてお話を聞かせてくださる。「みゆきさん自身旅にでたいと思うことはないですか」と聞くと、実はとても旅が好きで、空き時間ができると外へ出かけていくことが多いのだと。やっぱりそうだろうなあ、と妙に親近感を抱く。近く、休みが取れたら奥田さんが出店した銀座の店に訪ねていこうと思っていると教えてくれた。

9:30に羽黒山登山口に到着。忙しい中、遠くまで送ってくださったことに感謝してお別れした。羽黒山のふもとには来たことがあったが、登るのは初めて。山門をくぐり、誰もいない苔むした山道を進む。そういえば、修験の人たちと山を歩いていたころ、冬の修験の行が見たくて何度か来ようと思ったことがあったことを思い出した。杉の巨木の中にひっそりとたたずむ五重塔。杉の中には、樹齢1000年を越えるものもあるらしい。
階段の登りは、案外と単調できつい。途中の茶屋で休憩し、景色を楽しむことにする。お抹茶を一服。登山途中のお抹茶は、やはり美味しくて、ほっとした。
10:40に頂上の山神合祭殿に到着。頂上には、逆の山道から車で上がってくる参拝者が何人も。参拝後、隣にある出羽三山歴史博物館に立ち寄るがほかに人はおらずひとり貸切状態。修験に関する展示物の数々は興味深かったが、『山を神として感じ取っていた人々は、仏教の伝来とともに生死について考えるようになり、自分の足で山を歩き修業するようになった』という内容の記述を読みながら頷いてしまう。山を神として崇めること、それとも、自分で歩き山から何かを会得しようとすること。どっちが幸せなんだろう。
下山は、ふたたび静かな苔の階段をゆっくりと。山門まで下り、宿坊の場所を聞くため、近くの御茶屋へ入って昼食。そばと草もちの定食をお願いするが、これが、予想以上に美味しかった!そばは山形で一番。草もちは、濃いヨモギの味が一杯に広がって、かなり幸せな気分となる。店番のおばあちゃんに、これこれこういう宿坊を探している、というと、すぐに「それは大進坊だよ!」と教えてくれた。
バスの出発まで1時間弱。突然だったが、お線香(宿坊では水をあげると言われた)だけでも上げさせていただければ、と失礼を覚悟で伺うことにした。宿坊では、ご家族の方が快く迎えてくださって、お水をあげさせていただくことができた。山の写真が飾られていて、あれからもう17年も経ったんだ、と感慨深くなる。尊敬していた姿を前に、相変わらず恥ずかしいばかりの自分を振り返ったりした。ご家族に心からお礼をし、お茶をご馳走になる。学生時代にお世話になったお話をしていると、話は止まらなくなってしまった

バスにはぎりぎりの時間に飛び乗り、鶴岡へ。鶴岡駅で観光客向けに貸し出している無料の自転車をレンタルし、町を観光。即身成仏のミイラがあるというお寺にも行くが、献金した上で特別に見物ということで、なんだか、怖くなりやめておく。鶴岡の中心部には鶴岡公園があり、周辺には明治時代の建物が残り、美しい。地元の物産展に立ち寄り、カニ、のどくろ、さざえなど海のものをクール便で実家へ送った。

18:05鶴岡発のバスで移動し、山形市へ戻り、ふたたび同じ宿に投宿。

<行程> 10:00羽黒山山門~10:40頂上(博物館見学)~11:30山門~14:20鶴岡駅 18:05鶴岡発(山交バス)~20:00山形駅着

<交通費> 羽黒山→鶴岡(バス 700円)、鶴岡駅→山形駅(山交バス2300円 往復割引) 

7 May 2009

山形スキーツアー 6(鳥海山)

7日(木)晴れ 4:00に起床し紅茶とお菓子の簡単な朝食をとって4:30出発。誰もいない残雪の山は爽快で、ずんずん進むうちに調子が上がってきた。左には奈曽渓谷を側壁が取り囲み、一筋谷へと落ちる白糸の滝。谷が深くぞくっとした。
朝日の当たる雪の大斜面を黙々と進んでいると、過去に登ったムスターグ・アタの斜面を思い出した。悪天になったらルートを見失いそうだが、適度な間隔で赤旗が残置されており心強い。吹浦口、長坂道が途中で合流し、しばらくいくと御浜小屋に到着。
7:40文殊岳の登りでアイゼンとピッケルを出す。ところどころ岩が露出する雪尾根の登りが続く。下りを考え観察しながら歩くが、登り返しが予測される斜面が多く、うまい具合につなげられないように思えてきた。
8:40外輪山の一番高い場所である七高山に到着。風が強いので長くは休めない。スキーをデポし、新山の頂上へ。
岩で風を避けしばらく景色を楽しんでから下りにかかる。楽しそうに登ってくるボーダーのグループとすれ違った。ウエアがおしゃれで、楽しそう。斜面を物色するが、突っ込んではまるのはいやで結局スキーを背負ったまま御浜小屋まで歩いてしまった。さらに風が強くなり、小屋の手前では台風姿勢をしないと飛ばされそうなくらいの勢いになった。
小屋の手前でいよいよ滑降開始。大斜面を満喫していたら、あっという間に登山道との分岐に着いてしまった。雪面が徐々に狭まってきたところでふっと横を見たら、再び白糸の滝が目に入る。奈落の底に吸い込まれそうな威圧感に抗うべくスキーを脱ぎ背負って早々に尾根上に戻った。登山道を歩きながら、もっと良い斜面を選べば長く滑降できたと反省。とはいえ、なにより安全に下りてきたことに感謝して、登山口へ戻った。
5月の日差しは強く、駐車場で靴やスキーを乾かすことにした。しばらくうとうととしながら、太陽を楽しむ。13:30に移動を開始。返却は鶴岡になるので、先を急がねばならない。途中、道の駅で食べ物を物色するが、これ、というものがなく水だけゲット。15:40、返却時間20分前になんとか鶴岡駅に到着した。

車を返却し、下山後の楽しみに予約した知憩軒へ。いつか行きたいと思っていた、一日一組しか宿泊の予約をとらない鶴岡の農家民宿だ。電話を入れると、バスの本数が少ないのでタクシーを拾ったほうがいいとのアドバイス。
出迎えてくださったのは女将の光さん。汚い山道具を抱え恐縮していると「汚れていても気にしなくていいですよ、私も農仕事でどろだらけですから」と。ぜいたくにも、離れの一軒屋を貸していただく。鍵を渡され、自由に使っていいですよ、と。なんでも揃ったキッチンとお風呂、そして光さんの織物などの作品が置かれた部屋、お茶室まである。家族で何泊もしていく人もいるそうだ。料金は、素泊まり3500円、一泊二食付6000円と格安。半乾きの登山道具が乾くようにと、除湿機まで用意してくださった。深謝。早速お風呂を沸かし、ゆっくりとする。窓を開けると外から心地よい風が吹いてきた。

宿帳をめくると、4月に銀座にもオープンしたイタリア料理店アル・ケッチャーノの本店が近くにあることがわかった。奥田シェフがお客さんにこの宿を勧めているらしい。アル・ケッチャーノの夕食をフルコースで楽しみ、知憩軒で宿泊しおいしい朝食を楽しむ、という人もいるようだ。アル・ケッチャーノについては、山形駅の本屋でたまたま立ち読みして知ったのだが、奥田シェフは全国に名が知れた名オーナーシェフ。各地からこのお店を目当てに訪ねてくる人が大勢いるのだという。奥田シェフと光さんの共通項は、地元の食材を大切にして提供していることだろうか。地方にあって、その価値を相対的に把握している、すばらしい人たちだと思う。
まだ明るい18:00から母屋にて夕食をいただく。この地でとれた食材をふんだんにつかった料理のおもてなし。若くちゃきちゃきとカッコの良いお嬢さんがそれぞれの食材について説明してくださる。女将さんの活動に賛同して働いているスタッフの方かなあと聞いてみると、光さんのお嬢さんであった。母娘二人で切り盛りしているのだそうだ。
まずは、炭火でしいたけ、アスパラ、弁慶めしを炙る。前菜は、うど、こごみ、タラノメ、こしあぶら、かぼちゃ。さらに、わらびのたたき、さわらだいこん、にしんの煮付、くろごまどうふ、こうやどうふ、うるいの漬物、うどのきんぴら、おふのみそしる、そしておにぎり。日本酒をなめながら、ひとつひとつ味わっていただいた。これこれ、こういうのを食べたかったのです。もう、最高に幸せ!最後の〆はわらびもちのデザート。

食事が終わるころ、光さんが絶妙なタイミングでお声をかけてくださる。暖かい笑顔と穏やかな語り口調に引き込まれる魅力あふれる女性だ。少しの酒で酔っ払ってしまう私の質問につきあって、いろいろと教えてくださった。嫁入りして20代の頃から嫁ぎ先の親を長く介護してきたが、介護が一段落し、やりたいことをしようと思い立ち宿を始めたのだという。食が廃れたら日本の国もだめになってしまうと考え、農家をやりながら(彼女は百姓という)民宿を営む。できれば、訪ねてくる人に農家の日常も見て欲しいと考えてのこと。しかし現状は厳しく、小規模な農家は経営が困難になり将来が心配。そんな中で、少なくとも自分自身が楽しむこと、それが一番重要だと思っているそうだ。どっしりと構えた風貌のとおり、自然体だが強い意志と覚悟が感じられる。どこから風がふいても、しなやかにかわしながら、根を深く伸ばしてぶれない大木のようだ。

お嬢さんのみゆきさんは爽やかで美しく、都会を歩いていても人が振向きそうな雰囲気。外へ向かって輝くような美しさ。でも、私にとって日常を脱した旅が大事であるように、お嬢さんも外へ旅に出たいと思うときがあるのではないだろうか。帰るまでに聞いてみたいと思った。


<行程> 4:30駐車場発~6:00御浜小屋~6:30御田ケ原分岐~7:00七五三掛から8:40七高山~9:10新山頂上~12:10駐車場下山

<交通費> ガソリン代 655円(酒田~鉾立山荘~鶴岡)、タクシー 3750円(鶴岡駅~知憩軒)

6 May 2009

山形スキーツアー 5(移動日)

6日(水)晴れ 今日はいよいよ鳥海山へ移動。初レンタカーの日である。鳥海山へのアプローチとなるブルーラインを地図で何度も確かめたが、ピンカーブが続く道は見れば見るほど危険に思えてきた。昨晩は、登山口にある鉾立山荘へ電話を入れ、道の状況についていろいろと教えていただいく。凍結があるか、危険箇所があるかなどと質問をした後で(登山道よりもブルーラインについてこれほど質問する人もめずらしく迷惑であったろう)「普段あまり運転をしていないのだがこの道を通ることはできるか」などとあほな質問をした。危険だと言われたら、即やめるつもりだったのだが、「普通に運転できる人なら何も問題ないですよ」と暖かいアドバイス。普通に運転できる、の判断は非常に難しいが行くことに決めた。いろいろとシュミレーションしたが、危険と思ったらその場で運転をやめること、という線引きをしておく。8時に起床して駅のコーヒーショップで朝食。10:17分発の酒田行バスに乗り込む。12:30酒田バスターミナル着。駅のトレン太くんのオフィスへ行き、早々に手続きを済ませ荷物を預かってもらう。16時から予約を入れているが、早めにピックアップできるか確認したところ、快くOKの返事。

出発まで2時間ほどあるので、昼食を食べにガイドブックで調べておいたすし屋へ向かう。酒田の中心街は歩いて20分くらいの港の近くになる。めぼしをつけていたすし屋を2件覗くが、割と値段が高く内容がイマイチな印象。ガイドブックに掲載されるということは、観光客用に商売をしているということで、その意図が前面に出ているとこちら側としては引いてしまう。こういう港町には、地元の良い店があるかもしれない、という勘をたよりにもう少し歩くことにする。年季の入ったのれんが印象的な小さな小料理屋が気になり眺めていると、800円で昼の定食を出していることがわかる。一人でもいいですか、と店を覗くとやさしそうなご夫婦がどうぞ、と。うれしくなってカウンターに座らせてもらった。「昨日も鳥海山から下りてきたという男性が一人寄っていったんだよ」と、明るいだんなさん。赤坂で板前修業をし、酒田に戻って小料理屋をやっているそうだ。やっぱり、のれんの印象は当たっていそうだ。娘さんと息子さんはは二人とも東京で暮らしているという。「酒田に帰ってきても、仕事がないからね」とおかみさん。
まずは、地元食材のオンパレード。ぶり大根、もろこの南蛮漬け、のろげんげの煮付け(コラーゲンたっぷり)、そしてだんなさんがとってきたという月山竹を出してくださる。これからレンタカーがなければビール、といきたいところだ。その後は、メインの刺身。ひらめ、ほうぼう、あじ、まぐろ。ごはんに、海老の味噌汁、漬物。もう、最高。おまけに、最後はいちごのデザート付き。800円でこれだけ出してもらったら、もう大満足です。なにより、ご夫婦の暖かいもてなしに、心が和みました。 こちらの山に来たら、また立ち寄ろう。次回はできれば下山後の酒付きがいいな。
食後まだ少し時間があったので、おかみさんに教えてもらった「おくりびと」のロケ地を散歩。映画のパンフレットに掲載された場所をいくつか。酒田はいい具合にさびれた、風情のある町だ。もっと時間があれば、山居倉庫や土門拳記念館、本間美術館にも行ってみたかった。
15:10に駅へ戻り、レンタカーを借りる。まずは初心者マークをぱっちり貼る。車の使い方、ナビの設定などしていると、あっという間に時間が経ってしまう。久しぶりのテンパリ感。コーヒーでも飲んで気持ちを落ち着けたかったが、まわりにコーヒーショップ見つからず、出発。国道7号線を北上。
ナビに助けられ、60キロくらいの低速で運転。初心者マークを見て避けてね、と祈りながらマイペースを維持。10年以上前、80歳の元新聞記者のおじいさんの車に乗せていただいたことを思い出した。銀座の町を堂々と低速で運転し、まわりとは明らかに異なるスピードと動き。「ゆっくりマイペースで走っていれば、まわりが避けてくれるからね」と言っていたのを思い出した。

ブルーラインのゲートまでなんとか無事到着。入り口で管理人に車を止められ「17時にゲートが締まりますが大丈夫ですか」と聞かれる。「上で宿泊しますので、大丈夫です」とゲートを突破。ブルーラインを走る車は1台。ゆっくりしてもおられることなく、良いタイミングであった。心配していたヘアピンカーブも道幅がありなんとかクリア。それにしても美しい道だ。風景を見る余裕があったらどんなに楽しいだろう。17時、鉾立に到着。売店がまだ開いていたので、温かい飲み物と食べ物を買い込んだ。

周りには車で泊り込んでいるグループが2組。ビジターセンターに泊まっている人が3組くらいだろうか。日本海を見下ろすと、美しい夕日が。ああ、この景色。ここまできて本当によかったなあ。
車を寝床に作り変え、早々に就寝。

<行程>10:17山形発(山交バス)~12:30酒田駅着~(酒田にてランチ)~15:30レンタカー借用~16:00酒田駅出発~17:00鉾立山荘着

<交通費>山形駅→酒田駅(山交バス2300円 往復券4600円で購入)、レンタカー24時間(トレン太くん6240円)

5 May 2009

山形スキーツアー 4(山形市)

5日(火)晴れ 朝からよく晴れ今までで一番良い天気だが、日程調整を兼ねレスト。ゆっくりと起床し、9:00頃宿を出て市内観光へ。

フロント係の明るいお姉さんのアドバイスに従い、歩いて5分ほどのところにある霞城公園へ。山形城址に広がる公園で昔の石垣が残っている。まず公園を入りすぐ右手に見える山形市郷土館へ。明治11年に初代県令の三島通庸により建てられたという14角形の洋館。以前岩手の町を歩いたときも思ったのだが、東北は古い洋館が多く残っており豊かな文化の名残を感じさせてくれる。明治のころは病院として使われていた建物だというが、中庭を囲むつくりは美しい。中でも2階へ続く階段のデザインは、建物の中で階段がこれほど美しく存在感を持つことができ、使う人間の心にゆとり与えることができるものなんだ、という印象。今までこのようなデザインの階段を見たことはないように思う。この資料館で驚いたのは、三島通庸は熊本県出身であり大久保利通の肝いりで初代県令となり山形には交通網が必要だとの信念から交通を発展させるために尽力したこと、また、同じ時期にイザベラバードが山形を訪ねており山形を『桃源郷』と表現したことを知ったことだ。今度熊沢正子さんに会ったら、なんでバードが山形を桃源郷と表現したのか、ぜひ聞いてみようと思う。 次は隣の県立博物館へ。山形の自然環境から文化を多面的に説明展示しているが、中でも日本海側から山形県を見るジオラマは興味深かった。山の名前を押すと点滅するボタンを何度も押して楽しむ。なんで、こんなにわくわくするのか言葉にできないが、日本海側から眺めることで、山形の地勢に対する概念が変わったような気がする。

山形美術館を通りかかると、四大浮世絵師展の広告が。入る予定ではなかったが浮世絵を原画で見るのは初めてなので良い機会だ。写楽、歌麿、北斎、広重の原画。色、構図、そのインパクトはさすが。人物や風景をシンプルかつ印象的に、その本性や心情までも伝えてくるようだ。風景画でもその中に歩く人の心情が「うん、わかる」という感じなんだな。今回展示の浮世絵をオールカラーでまとめた厚さ3センチほどの本がなんと2000円で販売されていて、そのお徳感に思わずゲット。家でじっくり眺めよう。

七日町へ歩いていくと、歩行者天国に消防車やはしご車、パトカー、救急車が止まっており、子どもたちがわいわい取り巻いている。そういえば今日は子どもの日であった。ここで山形市のメインストリートはどうやら七日町付近らしいことに気づく。子どもたちは、車に乗せてもらってうれしそうだ。 ぐるぐる歩き回っているうちに、山形県郷土館である文翔館へ。大正5年建造の英国ルネサンス様式の建築物。山形県旧県庁舎。当時のままに復元されている貴賓室や知事室を見ていると、ボランティアで説明をしているという年配の男性がそれぞれの部屋の説明などをしてくださった。興味深かったのは、当時は知事や県の職員とともに警察官も部屋を持っていたが、それぞれの地位にあわせて部屋の装飾や作りが異なり下にいくほど簡素になることだった。説明してくださった男性は、昔ははっきりとした地位の格差があったことを強調していたが、それが、権力主義とは違う形で品格としてあったのではないかと想像した。知事であれば『国のために働かねばならない立場の人間であること』を意識し振舞っていたのではないだろうか。建物に品が感じられるのだ。中でも、中央のバルコニーからその前を通る国道13号方向を眺めると『うん、この土地のために責任を持とう』と思わせられるような気さえする。そういうイメージを喚起させてくれるほど力を持った建物だった。品格というレベルでの社会格差は必要なのかもしれない。それを演出する装置として、建物の役割は大きいように思う。ぐるぐる歩いた割には今日も良い店を見つけられなかったが、夜は某ブログで記事を読んで気になっていた庄司屋のそば屋を目指す。150年前の江戸中期に創業した山形一の老舗。山形駅から暗い道を徒歩15分。住宅街の中にあった。
店は地元の人で賑わっていた。更科天ざる1,600円を食す。そばより天ぷらがおいしかった。

<行程>9:00~17:00(市郷土館、県立博物館、山形美術館、榮王堂、七日町、文翔館)

<入館料>山形美術館(1000円) 他は無料

4 May 2009

山形スキーツアー 3(月山編)

4日(月)曇り 6:30に目が覚め、蛇頭にさらわれることもなく無事目覚めたことを確認。天気は高曇りなので、月山へ向かう。7:00宿を出発し駅のロッテリアで290円の朝食。8:07分山形駅発鶴岡行バスに乗る。バスの中でスキーを持った中年の男性を発見したが、他は地元の利用者か。意外とバスでスキーに向かう人は少ないようだ。
40分乗車し、西川バスストップで下りる。下車したのは、私のほか地元の人らしき男性一人だけであった。同乗のスキーヤーはどこまで行くのだろうか。西川バスストップから、スキーリフトが設置されている姥沢までローカルバスに乗り換える(500円)。ローカルバスも、利用するのは主に地元のおばあちゃんであった(地元の人は200円で乗車していた)。

約一時間弱で姥沢に到着。駐車場は車であふれ、駐車スペースを探すだけで大変そうだ。バス亭から徒歩5分で雪。さらに、雪面を5分登るとリフト乗場に到着した。山は豊富な雪で覆われている。春スキーでにぎわう理由が分かった。リフト一回券(560円)を購入し、順番を待つ。
リフト最上部は人であふれていたが、登山者はそれほど多くはない。11:00に月山頂上へ向けて出発。ゆったりとした稜線はボリューム感があり、二千メートルに満たない山と思えない風格。
途中、風が強くなり防寒具を羽織るためにレスト。ガスられたら迷う山容なので、天気の変化を気にしながら歩く。西から雲が流れ厚くなってくるものの、高曇りのまま視界は悪くない。頂上直下で、白装束に長靴の一群とすれ違う。出羽三山を信仰する人たちの軽装に脱帽。

12:45に頂上に到着。頂上からまわりを眺めると、山々が折り重なり山深さが感じられた。いつか、肘折温泉までのロングルートにのぞんでみたいな。
雪に埋もれた月山神社の前でデジカメを取り出していると、近くでおいしそうなおにぎりをほうばっていた若いお兄さんが声をかけてくれ、何枚も背景を変えて写真を撮ってくれた。
下りにとりかかる。 前を滑るスキーヤーは一人で、ほぼ貸切状態の雪面を思うようにターンし滑る爽快感は格別だ。リフト前の登り返しを考えて、最後はトラバース気味にシュプールを引いたが、後になって後悔。こういう場所では小細工はやめて、大きく登り返しがあっても、思いっきり斜面を下まで楽しむのが正解であった。
さらにスキー場を滑り13:45にリフト乗場着。帰りのバスの時間をみると1時間くらい余裕がとれそうなので、ローカルバスで志津まで下り温泉に入る。上品なお湯だ。西川バスストップへ戻り、逆ルートで山形駅へ到着したのは17:08であった。

夜は、宿と駅の間にある地元のすし屋に入り、山菜巻きと芋煮の定食(1200円)を食べる。地元の人で居酒屋のように使われ賑わっている店のようだが、山菜巻きと芋煮は明らかに観光客を意識したものであった。山菜といったって、ふきがメインでは‥。がっかりしたが、貧乏性な私は、最後までいただく。気分転換に普段はほとんど入ったことのないミスタードーナッツで読書に耽った後、宿に戻り就寝。

<行程>10:45姥沢リフト乗車~11:00リフト上出発~11:55レスト~12:45月山頂上(1984m)~13:00頂上下より滑降開始~13:35リフト上着から13:45リフト下着

<交通費>山形駅→西川バスストップ(山交バス1160円)、西川バスストップ→姥沢(庄内交通バス500円)、月山リフト往路(560円)、姥沢→志津温泉(庄内交通バス500円)、志津温泉→西川バスストップ(200円)、西川バスストップ→山形駅(山交バス1160円)

3 May 2009

山形スキーツアー 2(蔵王編)

3日(日)曇りときどき晴れ  新宿発のバスに8時間ゆられ6:30山形駅着。夜行バスは安さとストレスのバランスをどこで見切るかなのだと思う。片道5000円だが、満席で席も狭かったので、個人的には3500円くらいにして欲しい感じだ。
初めての山形駅は思ったより綺麗な駅ビルで山形らしさは感じられない。あたりまえだが、少し残念。6時半からオープンしている駅のガストで朝食を取りながら地図を広げる。となりに座った高齢ご夫婦の会話は訛っていて理解できず、ここでやっと遠くへきたと思わせてもらえた。8:00に宿へ電話を入れ、荷物だけ預かってもらいたいとお願いする。じゃらんで探した最安値の宿は東口のバスターミナルから徒歩1分の好立地。蔵王、月山、鶴岡方面へ移動するバスへのアクセスは良好である。

一時雨の予報が出ていたが、天気が持ちそうなので蔵王へ。直前に調べたところ、頂上付近の積雪が少ないようなので、スキーはデポすることにした。山形駅9:30発の蔵王刈田山頂行バスに乗ることができ、2時間バスに揺られブナ林からアオモリトドマツの美しい景色を眺めつつ頂上まで。途中で、宮城県側からのエコーラインと合流するので車量が増える。バスの終点である刈田岳は観光客で大賑い。お買物バッグに犬の散歩というカップルまでおり、残雪期用装備の私は、かなり場違いな感じである。まだ氷の張ったエメラルドグリーンのお釜(蔵王で一番新しい火口)を覗き込む観光客の間を駆け抜け、熊野岳方面へ逃げると人は少なくなり、静かな景色が広がった。途中の熊野岳には、立派な祠が。全国にある”熊野”の山名や地名は熊野修験に関係していると聞いているので、縁があると思い込んでいる私(家の氏神様も熊野神社)は祠に手を合わせてお礼をする。近くには斉藤茂吉の歌碑も立っていた。さらに蔵王温泉方面へ向かうと、私よりも背の高い巨大なお地蔵さんが突如出現。
最後はスキー場を通過して、蔵王温泉着。地元のおばさんに公共浴場を教えてもらい入浴。利用料200円でシャワーも石鹸もないが、硫黄臭漂う最高の泉質であった。じっくり浸かっていたら、右ひざの痛みが無くなったほどである。山形駅までのバスまで時間があったので、町を散策、山形の各地で見ることになる丸こんにゃくの串刺(100円)を食べる。山形駅へ戻り美味しいモノを探して町を1時間くらい歩くが、いい店が見つからず。自分の「いい店」の定義は、山菜や地元の食材を出してくれるところなのだが、案外駅の近くにはこのような店は見つけられなかった。かろうじて飲み屋のメニューに見つけたが、一人飲み屋は高くつきそうなので、やめておく。結局駅ビルの山形牛を出す焼肉屋のカルビ定食1000円で妥協(結構美味しかった)。

8時頃宿に帰ると、同じフロアに中国語を話す怪しげな中年男性の姿が。中国の蛇頭が山形の酒田港を拠点に活動しているという森田靖郎氏の話を思い出し、かなり暗い気分に。とりあえず妹に電話をいれ、何かあったらすぐ連絡するからよろしくと言っておいた。

安宿も、値段と怪しさのバランスをどこで見切るかが勝負か。さすがに、一泊2,980円は安すぎたかな。怪しい宿だが、フロントのおばさんの明るさ、駅近の立地でかろうじて許せる範囲か。個人的には一泊1500円くらいにしてほしい感じ。


<行程>11:30刈田山頂(1758m)~12:10熊野岳(1840m)~12:50山宝荒神山(1703m)~13:20スターライト前~15:00蔵王温泉

<交通費>山形駅→刈田山頂(山交バス1990円)、蔵王温泉→山形駅(山交バス980円)