フロント係の明るいお姉さんのアドバイスに従い、歩いて5分ほどのところにある霞城公園へ。山形城址に広がる公園で昔の石垣が残っている。まず公園を入りすぐ右手に見える山形市郷土館へ。明治11年に初代県令の三島通庸により建てられたという14角形の洋館。以前岩手の町を歩いたときも思ったのだが、東北は古い洋館が多く残っており豊かな文化の名残を感じさせてくれる。明治のころは病院として使われていた建物だというが、中庭を囲むつくりは美しい。中でも2階へ続く階段のデザインは、建物の中で階段がこれほど美しく存在感を持つことができ、使う人間の心にゆとり与えることができるものなんだ、という印象。今までこのようなデザインの階段を見たことはないように思う。この資料館で驚いたのは、三島通庸は熊本県出身であり大久保利通の肝いりで初代県令となり山形には交通網が必要だとの信念から交通を発展させるために尽力したこと、また、同じ時期にイザベラバードが山形を訪ねており山形を『桃源郷』と表現したことを知ったことだ。今度熊沢正子さんに会ったら、なんでバードが山形を桃源郷と表現したのか、ぜひ聞いてみようと思う。

山形美術館を通りかかると、四大浮世絵師展の広告が。入る予定ではなかったが浮世絵を原画で見るのは初めてなので良い機会だ。写楽、歌麿、北斎、広重の原画。色、構図、そのインパクトはさすが。人物や風景をシンプルかつ印象的に、その本性や心情までも伝えてくるようだ。風景画でもその中に歩く人の心情が「うん、わかる」という感じなんだな。今回展示の浮世絵をオールカラーでまとめた厚さ3センチほどの本がなんと2000円で販売されていて、そのお徳感に思わずゲット。家でじっくり眺めよう。
七日町へ歩いていくと、歩行者天国に消防車やはしご車、パトカー、救急車が止まっており、子どもたちがわいわい取り巻いている。そういえば今日は子どもの日であった。ここで山形市のメインストリートはどうやら七日町付近らしいことに気づく。子どもたちは、車に乗せてもらってうれしそうだ。



<行程>9:00~17:00(市郷土館、県立博物館、山形美術館、榮王堂、七日町、文翔館)
<入館料>山形美術館(1000円) 他は無料
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