26 July 2009

上高地ラウンド縦走(日帰り)

26日(日)雨ときどき曇り 前線の張り出した天気図はどうみても天候が不安定なのだが、ピーク別の予報を見てみると、穂高周辺は雨が夕方から予想されていた。東京周辺のピークであれば問題なく晴れ。しかし、標高高めの山に行きたいという気持ちを優先することにした。

前夜23時発のさわやか信州号に乗車。今回ははじめてグリーン車に乗ってみた。さすがに年齢層は高めかな。リクライニングの大きめのイスはまあ快適であるが、通常シートより2,500円分の価値があるかどうかはギリギリの感じ。ペルーで乗ったリマ~ワラス間ベンツバスの皮製イスの快適さを考えると、日本の長距離バスの改善余地はまだまだあると思う。

5:40に上高地着。外へ出ると霧雨であった。状況にあわせて判断するしかないので、いけるところまで行動することに決める。センターで登山届けを提出。係りの方に初めて登る重太郎新道の状況をたずねてから6:00上高地発。

7:50岳沢の小屋跡の分岐点で休憩。雨は小降。重太郎新道へ入る。人はいないので、去年秋の栂池から持ち歩いている熊の鈴を鳴らしながら歩く。上高地まで熊が下りてくる話や、知人の事故を考えても、熊は単独行動中の怖さの一つだと思う(同じ時期に山に行っていた友達は大きなカウベルを持って山に入ったと聞いたが良いことだと思う)。少なくとも、こちらから存在を知らせてあげるのがマナーであるような気がする。

重太郎新道の上部は鎖や梯子がかかっており、急な岩の斜面が続く。先週の疲れもあってか、思うように高度を稼げず、天気も手伝い気持ちが萎えてくる。現状のペース配分と、目標タイムを常に照らし合わせながら進むが、今日のペースでは当初の予定は無理そうだ。こういうときは、無理しない。あっさり前穂ピストンかな、とぼんやり考えながら進む。途中、下山してくる韓国人パーティーに2組とすれ違った。韓国では穂高の人気が高いと聞いていたが、比較的マイナーなトレイルで2組に会うくらいだから、相当なものであろう。

前回の反省を元に、プラティパスのチューブを持参。岩稜歩きを考えて、ストックは持参せず。筋肉痛に備えてアミノバイタル4包を時間差で投入しながら歩く。カメラはカメラカバーに入れすぐに取り出し可能なので、余計な時間を食わずに済む。と、効率化はしても、小雨の中急な岩稜をひとり黙々と登るのは、少々気が滅入ってスピード上がらず。

10:00前穂と吊尾根の分岐に到着。この時点では前穂ピストンと考えていたので、前穂へ向かって登り始める。歩きながら、当初計画していた奥穂経由 上高地までのルートを行ったらどうなるだろうか、と頭で最終のシュミレーション。と、今の時点で切り替えればギリギリなんとか歩ける(かもしれない)計算が成り立ってしまった。ちょっとだけ追い込んでがんばらねばならないが、行こうと決める。そうと決まれば、前穂は割愛し、さっさと吊尾根へ転向。雨の中3000メートルの稜線を歩くこと、上高地発4時のバスを既に予約していることなど、予定どおりに進まない場合も同時に考える。ひとりでなければ、こんな切り替えはできないだろうなあと思う。残雪期に順ずるウエアとツェルトを持参していること、バスを逃した場合はあきらめること、という理由で決定。 とりあえず、稜線の風に煽られる前に、持参のフリースとネックウォーマー、手袋を着込んで防寒対策を整える。

不思議なことに、ラウンドを決めた後はなんだかウキウキして、疲れていた自分の体が軽く感じられてきた。どうも、自分はこういうのが好きみたいだ。

ここからは、ノンストップで上高地を目指すことになった。

奥穂高岳には予定の10分遅れで10:55に到着。飛騨側から吹き上げる風と雨はけっこうきつくなってきた。11:10穂高岳山荘通過、ザイテングラードへ下ると風は止み雨も小降りになる。

残雪が切れ切れに残っており、持参した軽アイゼンを着けるほどではないのだがストックを持っていたらよかったと思う。登ってくるグループが大勢いるので、ガレや岩場では順番待ち。涸沢の手前で雨は一時止んだ。12:20に涸沢小屋前通過。

テント場の間を通り過ぎ、ここからは学生時代を思い出しさらにスピードアップに励む。横尾までは1ピッチ強で歩いた記憶があるが、どうだったかな。追い込んでいく感覚が、面白い。帰りの切符を予約しておくのは、自分のようなぐうたらなタイプには良い方法なのかも。バスに間に合わなかったら、判断ミス、体力の無さなのであり、ペナルティーのようなもの。ゲーム感覚でトレーニングができる。ひとり遊びには、うってつけだ。次回からは積極的に帰りのバスを予約してしまおう、などと考えながら歩く。

しかし、思っていたよりも時間がかかり14:00横尾着。ここも素通りして、徳沢へ。平坦になるので、走ることができれば確実に時間短縮ができるが上高地まで走り切る自信はなく、パワー全快で早歩き。16:00の上高地発バスに乗り込むためには、出発15分前くらいには到着していたいが、かなり厳しいことが予想される。横尾~徳沢、徳沢~明神、明神~上高地がそれぞれ40分で歩ければぎりぎり2時間であるから、最初の徳沢までの様子で、最後を走るか決めねばならない。
 
14:35徳沢着。がんばって急ぎ歩きをしてもこんなものである。気持ちの良い草原にテントが並んでいる。徳沢で休むのがいつも楽しみなのに‥などと考えたら、ここで、足の動きが鈍くなってきた。何か食べれば楽になる気がするが、ここでの5分は大きな損失。悩んだすえ、徳沢をとおりぬけ少し進んだ辺りで、思い切って立ったままザックから大福を2個、牛乳パックを取り出してほおばった。暑くなってきたので手袋もはずす。すると落ち着いて、歩きを再開することができた。

歩き始めて少したったころ、食べ物を摂取したせいか、内臓に血流が集中しているのを感じる。さっきまで暑くて手袋をはずした指が冷たく感じられるようになったからだ。消化が血流を多く使うということを実感する。ヒマラヤの高所キャンプで、流動食(ベビーフード)を利用するという竹内洋岳さんの考え方などは理にかなっていることなんだな、とぼんやりと考えながら歩き続ける。しかし、一方で大福を食べて10分くらい経ったころから、歩きのパワーは確実に上がり楽になってきた。思い切って食べたのも正解だった(ただし、時間に間に合えば‥)。

15:20明神着。通り過ぎて、ラストスパートの上高地を目指す。バスの時間までかなりぎりぎりなので、ここから下りに走りを入れる。熊の鈴をはずす余裕がなく、そのままリンリン鳴らしながら走ってしまった(ごめんなさい)。

小梨平からは、スパートをかけてバスターミナルへ。ここから案外距離があるので、ドキドキするが、なんとか10分前にターミナルに到着。乗り込むバスを見つけ、ビショビショのウエアを着替えることもでき、出発5分前にバスに飛び乗ったのであった!


<行程> 25日(土) 23:00新宿(さわやか信州号)  26日(日) 5:40上高地着6:00~7:50岳沢ヒュッテ跡8:00~8:47カモシカ立台8:55~10:00前穂と吊尾根の分岐(前穂割愛)~10:55奥穂高岳~11:10穂高岳山荘~12:20涸沢小屋~14:00横尾~14:35徳沢~15:20明神~15:50上高地 16:00上高地(さわやか信州号)~22:00新宿着

<交通費> 新宿~上高地(さわやか信州号 グリーン車)8,500円、上高地~新宿(さわやか信州号)6,000円

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