11 February 2010

韓国アイスクライミング合宿1

11日(木)曇りときどき雨 5:30新宿発のリムジンバスで羽田へ。14日まで、韓国の田さんと太さんを訪ねてアイスクライミング合宿に行くのだ。彼らとは、去年の出会い以来、富山で再会したり、私の家に泊まりに来たり、なんやかんやとやりとりが続いている。お土産も買い込み、なんだか里帰りの気分。彼らに欲しいものを聞いたところ「アルファー米買ってきて」ということで、ICIで20袋を買い込んだら「今度はどこに遠征予定?」と聞かれてしまった。尾西食品㈱が韓国で販売したら売れるだろうな、と思うのだけれど、やっていないのだろうか。

アックスや個人ギアを入れて19キロの荷物なので、らくらくチェックインができた。羽田の国際線乗り場は小さく、イミグレに時間がかかる。羽田から国際線に乗るときは、時間的余裕を持ってきた方がいいようだ。

無事搭乗し、日経新聞を所望すると「(ANA便)1月から新聞サービスは中止しました」と言われてしまった。経費節減か。ゆっくり新聞を読みたかったのに残念。8:15に離陸するとすぐに朝食となった。

アナウンスでは、金浦空港は雪のため引き返す可能性があると言っていたが、10:30無事到着した。窓の外は真っ白だ。荷物を回収し外へでると、田さんが笑顔で出迎えてくれた。

「このまま直行するよ!」ということで、車に荷物を詰め込み雪の中高速を南へ。田(Jeon)さんは同じ世代のクライマー。食堂の女将クライマー太(Tae)さんの先生にあたる。自らクライミングスクールを運営し、時間を作って中国やパキスタンの壁を登ったりしている壁屋さんだ。「日本で世話になったから、今回はすべてこっちに任せてよ」などと言ってくれるが、さすがにお世話になりっぱなしではマズイ。

韓国の氷は例年より早く12月初旬から良く凍りはじめ毎週のように通っていたという。ここ数日暖かいので、コンディションはどうかと心配している。今夏の予定について話を聞くと、いつも一緒に登っているパートナーが去年事故に遭い、今年は海外登山の予定がないのだという。そのかわり、国内で面白い計画を温めていて(これはかなり面白い!)、そのために4か月前からトレーニングを始めたのだとか。そのときどきの状況に合わせて目標を決め遊ぶことができる柔軟性は、さすがだと思う。
その他、雪岳山四大氷曝(ソスン、テスン、ククサデプそして有名なトワンソン)の話など。トワンソンは入山規制があり、事前に申請が必要だが、週末はとにかく人が多くとんでもなく大きな落氷があるなど危険なのだそうだ。平日に登れないのなら、トワンソンには行かない方がいいよ、とアドバイスを受ける。そして、女将クライマーの太さんが去年から目標に掲げていたトワンソンを1月に登ったと教えてくれた。すごいなあ!
14時前にOhangのサービスエリアで昼食。キムチうどん(3,500ウォン)を食べてさらに南へ。15:30Yeongdongインターチェンジ(空港から8,700ウォン)を下りて下道を行く。

16:00頃にソウルから南へ約200キロのところにある松川氷場に到着した。ここは設営されてから3年目の韓国最大の人工氷壁。川に面した岸壁幅約100メートル×高さ約80メートルの間に、4種類の氷壁が広がり、それぞれ「りんご」「梨」「ブドウ」「柿」という名前が付いている。川の水をポンプで吸い上げて、上から流して氷を作っているのだ。利用料は本来1人あたり10,000ウォン(約800円)だが、直接施設には支払わず、かわりに地元自治体が発行している商品券を購入し、地元でお金を落とすシステムになっている。建設費や維持費も自治体が負担し、地元にとっては大きな観光資源となっているようだ。施設内には出店のテントがいくつも並び、臨時のカフェまである。週末は多いときで400人程度人が集まるといい、出店も大繁盛なのだろう。
到着して事務所に挨拶し、早速準備をして登り始める。トップロープのみ許可されているということで、それぞれの氷壁の横に梯子や縄が設置され、上部へ登りロープをセットすることができる。1月に開催されたノースフェースカップの名残であるバウンダリーのペンキが残っていたので、その中のハング越えのあるルートを登ることにした。

今回は悩んだすえ、アックスはグリベルのマトリックステック×シモンのナジャを持参。八ヶ岳や四十八滝の急峻でない氷のリードでは、両手にマトリックステックを使うと氷から外れやすく恐い感じがしたためで、今回もリード練習をする気だったのでこんな中途半端なギア揃えをしてしまった。しかし、バーティカルに近い氷を登ると、氷に刺したナジャがなかなか抜けないので逆に力を消耗することに気付かされる。おまけに登り方は、「去年教えたN-body(N字を描くように登る韓国式クライミングスタイル)ができてないじゃない」とダメ出しが。「N-bodyは効率良く力の消耗を抑えてスピーディーに登るには必要だよ」と言われ、何度も練習することとなった。しかし、この時点ではまだその威力に半信半疑、『他の登り方だっていいんじゃないのかな』くらいに思っていたのだった。(3日目にN-bodyの威力に開眼することとなるのだが…)。
暗くなってからもナイター用の明りが灯り登ることができる。適当に切り上げて、事務所スタッフである13クライマー&アイスコンペクライマーの韓(Han)さんとデグ市でパワークライミングセンター(辛雲善選手など数多くの有名クライマーを輩出してきたジム)を運営していた朴(Park)さんと近くのレストラン”パクダルカドン”で夕食。イカチョンゴル(鍋)を囲んでクライミングの話を伺いながら夕食となった。
店の女将さんは日本に住んでいたことがあるということで、とても親切にしていただく。ナムルやキムチや各種漬物、煮物などなど美味しい食事に大満足。
夜の宿をどうしようか悩んでいたところ、朴さんから借りている部屋に来ればいいとお声掛けいただき、おじゃますることに。ワンルームのオンドルにバス・トイレ、キッチン。みんなで合宿さながら雑魚寝。湿った装備を乾かすことができるオンドルの床はとても便利だ。夜はアックスやギアについていろいろ質問。恥ずかしながらアイスアックスによって、ドライに使えるものと使えないものがあることをこのとき初めて知ったのであった。

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