30 January 2011

峰の松目沢

29日(土)曇りときどき晴れ 7時新宿発の特急あずさで茅野へ。今回は以前よくヒマラヤへ一緒に登って遊んでくれた大久保由美子ちゃんと久しぶりの山行。実は去年秋、私が関わるMJリンクのサポーターに誘ったところ「こういう活動は以前からやりたいことだったから(彼女はずっと前から山に登りたい女性のために「からっぽクラブ」というサークルを運営している)」と二つ返事で参加してくれ、3月に予定している雪山山行も一緒に入る予定なのだ。彼女の技術は誰もがお墨付きなのだけれど、本人曰く「最近冬山行ってないので事前に山へ行きたい」ということで、今回の山行となった。ヒマラヤを一緒に登っていたときもそうだけれど、とても慎重に準備を怠らない人なのだ。

由美は現在かわいい息子と娘を子育て中のためリスクの高い山行はしていない。とはいえ、今後の復帰をねらいつつ山を走るトレールランナーとしてめきめきと力を上げているのだ。去年のハセツネではなんと女子4位。フルマラソンも3時間台で走るのだからすごい。ヒマラヤのときもそうだったが、人並み外れた集中力と最短で成果を上げる方法を見抜く力を持つ人だと思う。

美濃戸からの入山はいつものように話っぱなし。お互いの最近の山行の話から、歩き方、バランス、体重移動、そして甲野善紀先生(以前彼の講習会で「山で滑落した場合の処し方について」教えを乞い「とにかく瞬時に山側へ回転し止めること」と教えていただいた)のことなど。今回は、なぜか「重心、バランス」がキーワードになっているねなどと話ながら歩いていた。

赤岳鉱泉につくと、なんとガイドの加藤美樹さんと久野弘龍さんがいらっしゃった。美樹さんと由美はずっと以前からの知り合いで、美樹さんとMJリンクサポーターの柏澄子さんは仕事を一緒にする親しい仲間。「今度MJリンクで冬山をやることは柏さんから聞いているよ、よかったら私たちの講習会見に来て」と贅沢なオファーを頂く。大喜びで講習会を覗かせていただくことにした。

ひとこと、ベビーキャンディーを使っての美樹さんと久野さんの氷上歩行講習は、とてもすばらしかった。教科書通りではない内容で、「いかに安定した体重移動を行うか」に主眼を置いたもの。アイゼンを使っての歩行の基礎となる、歩行全般に通用する体重移動を基に「歩く」技術を教えいた。一歩一歩が安定して置かれていれば、スリップを防ぐことができる。滑落しない確実な歩行を意識し行うこと。あまりにもあたりまえで、だけれど、みな軽くみなしていることを分解し教えてくれた。体験と思考の過程がうかがえる、オリジナリティーに満ちた内容だった。みっちり日が暮れるまで歩行訓練。熱い思いに満ちた講習でもある。初心者のときに、このような講習を受けられたらより安全に歩行が可能になるだろう。初心者だけではなく、経験者にとっても自分の歩行を振り返させられる内容だった。とても内容の深い講習会で、技術講習に迷う人がいたら、絶対にこれを勧めたいと思った。

小屋では学生時代からの先輩友達である棚橋靖ガイドと再会。由美は久しぶりに棚橋さんとの再会に喜んでいた。それにしても、あんなにバカができた学生時代が懐かしい。本当に本当に楽しかったですよねという思い出を一杯共有している大切な大先輩。

食後は美樹さんと久野さんから、歩行技術についての考えをさらに聞くことができた。ほか、シャモニの話、アイスでお勧めエリアの話など。翌日、寒気が来てあまり天気は良くない予報。「どこかアイスに登りに行きたいな」と話ていたら、美樹さんが峰の松目沢を勧めてくれた。八ヶ岳で天候が悪くても、峰の松目沢はそれほど影響は受けない、と。アプローチについて詳しく教えてもらう。

30日(日)曇り 朝それほど天気は悪くなさそうだったので、由美に峰の松目沢に行きたいというと、いいよ、との返事。峰の松目沢は赤岳鉱泉から下り3つ目に左へ渡る橋の手前で右に折れしばらくトラバースしてから沢へ入り込む。美樹さんから教わったとおり、すぐに見つけることができた。先行パーティーの踏み後もある。

F1の取り付きで支度をしていると、後続パーティーが来たので先行してもらう。由美は積極的にアイスを登るつもりはなかったので今回ピッケル一本に平爪アイゼン。場所によっては私のバイルを下ろして使うことにした。それでも、F1、F2は難なくフォローしてさすが。F3はちょっと立っているので私のバイルを2本下ろして登る。初めてノミックを使ったけれど「これはすごい!」としきりに感嘆している。「ことしトレランのレースでシャモニに行く予定だからアイスアックス2本買ってくるよ!」と。F6は美しい氷が広がっていたのだけれど、フォローも2本アックスがないと難しそうだ。バスの時間も迫ってきているので、残念だがここで終了。同ルートを懸垂で下降し、デポしていた荷物を鉱泉へ取りに行って、下山。

かなり気温が下がったので、下山後2人とも指がジンジンしていた。ゆみのセンスの良さは相変わらずで、久しぶりの山行は本当に楽しかった。今年の夏の目標に向かって、お互いそれぞれの山行を重ねるだろうけれど、また、将来どこかに一緒に行きたいものだ。

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